豪ドル/円相場は、1豪ドル=93~94円水準で揉み合う展開になっている。昨年12月後半は日本株買いと連動した円売り圧力が強くなったことを受けて、一時94.15円(1月1日)まで豪ドル高・円安が進行した。ただ、その後は世界的な株安傾向と連動して豪ドル/円市場でも利食い売りが膨らみ、足元では93円台前半まで値位置を切り下げている。
引き続き、日豪のファンダメンタルズよりも、世界的なリスク投資の地合が重視されている。中国経済の減速懸念が蒸し返されていることや、昨年末の急ピッチなリスクオンの地合に対する修整圧力が強まる中、株安局面では豪ドル相場も売られ易い地合にある。特に、中国の成長鈍化から海運や非鉄金属市況が軟化していることには注意が必要であり、中国経済に対する信認が早期に回復されないと、中国関連資産価格に対する売り圧力と連動して、豪ドルに対しても売り圧力が強まるリスクには注意が必要である。8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、10日の12月米雇用統計などを手掛かりに、改めてリスクオンの地合を情勢できるのかが、豪ドル/円相場の短期トレンドの鍵を握るだろう。
もっとも、日本銀行の強力な金融緩和スタンスに変化が見られない中、豪ドル/円の下値不安は限定的とみている。豪ドルと円は弱さ比べの様相を呈していることで大きな値動きは想定しづらくなっているが、再び日本株買い・円売りの動きが強まれば、豪ドル/円も弱含みに推移すると考えている。豪ドル売りは対米ドルを中心に考えるべきであり、豪ドル/円に関しては押し目買いスタンスを維持したい。
テクニカルでは、一目均衡表の雲がねじれ、93.00~93.25円水準でのサポートが崩れると、基準線(92.65円)まで更に調整が進む可能性がある。上値抵抗はボックス上限の94円。サイコロジカルは、前週の9勝3敗から7勝5敗に。14日RSIは51.12。